2010年10月発行の最近の記事

1 はじめに
 団京都支部は、これまで意識的に京都北部地域に団員を配置してきた。一九六九年、小林義和団員が舞鶴市の個人事務所を設立し、次いで一九八五年に宮本平一団員が福知山法律事務所を開設した。
 そして、私は、一年四ヶ月の京都第一法律事務所でのトレーニングを経て、京都北部地域三人目の団員として、二〇一〇年五月に福知山法律事務所へ移籍をした。
 本稿では移籍後の福知山での状況を報告する。

「龍谷大学助手雇い止め事件」提訴報告

1.事件の概要
(1)本件は、3年の期限付きで龍谷大学経済学部助手を務めていた嶋田ミカ氏(以下、原告)が、1回目の契約更新時に雇い止めを通告されたことに対し、学校法人龍谷大学を相手取って、労働契約上の地位確認及び雇い止め以降の未払い賃金を求める事件である。弁護団は、佐藤克昭、福山和人、畑地雅之の3名である。
(2)原告は、2007年4月に、龍谷大学経済学部の「特別任用教員(以下、特任)」枠の助手として、3年契約で採用された。原告が採用されたきっかけは、龍谷大学経済学部がフィールドワーク科目の支援のための「サービスラーニングセンター(以下、SLC)」という機関を設置するにあたって、その運営を担う研究者を募集したことによる。原告は、当時から、非常勤講師をしながら、インドネシアなどアジア諸地域の経済に関する研究活動を、現地調査も含めて精力的に展開しており、その実績からSLCを担う助手の適任者として採用されるに至った。
はじめにー発端はオリックス不動産の働きかけ
 京都市下京区の梅小路公園に、オリックス不動産が水族館を建設するという計画が市民の前にはじめて明らかにされたのは、'08年7月でした。
 しかし、実際に、オリックス不動産が水族館建設の構想を示して、京都市に働きかけを始めたのは、'05年12月のことであり、約2年半にわたって、京都市とオリックス不動産は水族館建設に向けて、市民に知らせないまま水面下で協議を続けてきたのです。
 '08年7月、この計画が発表されると、京都市長は、いち早く、「第三者機関、市民などの意見を聞き、方針を決めたい」として、「検討委員会」を設置するとともに、市民意見を公募しました。'08年12月、「検討委員会」が水族館建設を妥当する答申を提出したことから、一気にこの計画の実現に向けて動き出しました。
 しかし、京都市の公募した市民意見では、その7割が、環境負荷の増大や古都京都にふさわしくないと反対していることが明らかになっています。
 今回の水族館計画は学習教養施設とされているものの、年間200万人もの入場者を予定した国内最大級の内陸型水族館であり、その実態はイルカショーをメインとした大規模集客をめざした商業的色彩の強い営利施設にほかなりません。
1 はじめに
 2010年7月23日、京都各地の社会保険事務所の元職員が京都地裁にて国を相手どり一斉に提訴した。2009年12月末の社会保険庁解体に伴い公務員の職を奪われた元職員らが、公務員としての身分の回復を求める裁判は全国で初めてである。

2 不必要な分限免職処分の強行
社保庁解体に伴う分限免職処分の概況
 2009年12月末、社会保険庁が解体され、2010年1月からは日本年金機構法によって設置された日本年金機構(以下「機構」という)が年金業務を行っている。社会保険庁廃止時、職員は1万2566人いたが、このうち、2009年12月28日までに機構に採用された者は1万0069人(うち正規職員9499人、准職員570人)、厚生労働省等に配置換えとなった職員は1293人であり、1159人は同年末をもって「離職」した。このうち当局による勧奨退職に応じた者は631人、自己都合退職者が2人。残りの525人が国家公務員法78条4号の「官制若しくは定員の改廃」を理由に分限免職処分された。民間でいえば整理解雇に相当する行政処分である。
1 国会議員の定数削減問題
2009年夏の衆議院選挙において、民主党は、衆議院の比例定数を現行の180から100に削減(80削減)するマニフェストを掲げた。2010年の参議院選挙でも衆参両方の議員定数削減を政策課題とし、同選挙直後、菅直人首相は、衆議院で80、参議院で40の議員定数削減を行うべく、年内に自民党等との調整を行うよう指示した。菅首相は2010年10月1日の臨時国会開会の際の所信表明でも、衆参の議員定数削減について、年内に民主党内での取りまとめする旨言及した。このように、ここ数年、政権与党である民主党でも、最大野党である自民党でも、この問題が繰り返し言及されており選挙の度にマニフェストにも明記されている。策動を前に進めようとする大きな流れがあることは間違いない。
議員定数の削減は、首相の権限強化や国会の権限の弱体化を狙う国会改革とも相まって、多様な民意の排除と二大政党による国会の独占による独裁的な政治権力の確立に狙いがあると考えられる。そして、これは日本経団連をはじめとする財界が一貫して掲げてきた方針でもある。財界の姿勢が一貫して明確である以上、政局の流れによる紆余曲折はあっても、財界の支援を受ける民主党、自民党等はこの問題を必ず焦点化すると見るべきだろう。


 2010年6月25日、大阪高等裁判所は、高齢者雇用安定法の下での有期の再雇用について、雇用継続に対する期待権を認め、会社に対して賃金仮払を命じる決定を出した。今、全国的に問題となっており、訴訟にも発展している高齢者雇用安定法の下の「働く権利」について、の判例なので、以下に紹介する。

事案の概要
 申立人Aさんは、ディスプレイ器具やマネキンのメーカーである株式会社ヤマトマネキンの子会社・株式会社エフプロダクトに勤務していたAさん。Aさんは1967年にヤマトマネキンに入社し、マネキンのメイクアップの業務をしていたが、子会社に転籍し、子会社の統合によってエフプロダクトで勤務するようになった。
 Aさんは、2008年6月に同社を定年退職したが、2006年に施行された改正高齢者雇用安定法の下、同法の規定に従って同社で制定された就業規則等に基づき、同社に再雇用された。Aさんは、再雇用後はディスプレイ器具やマネキンの倉庫管理業務に従事してきた。
 同社の就業規則では、定年退職した従業員は、健康や意欲や業績等の問題がない限り期間を1年として再雇用され、その後も、健康や意欲の問題がない限り、65歳まで(ただしAさんについては経過措置によって64歳まで)契約を更新することになっていた。ところが、同社は、Aさんを再雇用した後の2009年になってから、不況を理由にAさんを雇い止めした。不況といいながら雇い止めされたのはAさん一人であり、会社は雇用調整助成金を活用した一時帰休等も行っていなかった。